グリーン経営のメリット

グリーン経営認証取得による効果

グリーン経営認証取得による効果
(トラック、バス、タクシー、倉庫、港湾運送、旅客船、内航海運)
-2020版-の検討結果を公表(2022年4月19日)

トラック、バス、タクシーでは取得2年後に1.6~3.2%燃費が向上し、倉庫、港湾運送、旅客船、内航海運では取得2年後に1.3~11.0%CO2排出原単位が低減。交通事故件数、車両故障件数の減少等の効果も。

トラック、バス、タクシー事業者の取得2年後の平均燃費は、車両総重量8トン以上のトラックの場合で認証取得時と比較して3.2%、8トン未満で3.2%、バス2.3%、タクシー1.6%と向上していました。さらに、 認証取得後1年目の走行距離あたりの交通事故件数は、前年比でトラック25.9%、バス20.4%、タクシー7.0%減少し、また、走行距離あたりの車両故障件数は、前年比でトラック21.1%、バス3.9%、タクシー15.9%減少しました。

倉庫、港湾運送事業者では、取得2年後のCO2排出原単位は普通倉庫で3.6%、冷蔵倉庫で3.4%、港湾運送では取扱いトン数あたりで5.9%、取扱コンテナ数量あたりで11.0%改善されていました。
旅客船、内航海運事業者では、取得2年後のCO2排出原単位は旅客船で3.3%、内航海運で4.4%、曳船では1.3%改善されていました。
さらに、認証取得事業者は「職場モラル・士気の向上」、「お客様からの評価の向上」、「交通事故件数の減少」「リーダー層の人材育成」などいろいろなメリットを感じていることがわかりました。

1. 検討の背景

交通エコロジー・モビリティ財団では、運輸業界を対象に、中小規模の事業者でも容易に、かつ継続的に環境保全に取り組むことのできるグリーン経営 (環境負荷の少ない事業運営)推進マニュアルを作成するとともに、本マニュアルに基づいて一定レベル以上の取組みを行っている事業者に対して、審査 の上認証・登録を行うグリーン経営認証制度を、2003年10月のトラック運送事業者向けを皮切りに、順次各運輸事業者向けに開始しました。

当財団では、グリーン経営認証制度による環境負荷低減の実効性を定量的に評価するため、認証取得による具体的効果の検討を実施し、認証取得後の燃費向上 効果はもとより、交通事故件数の減少、職場モラルの向上等の副次的効果が見られたことを2006年度より公表してきました。この結果、「省エネルギー法に 基づく告示で荷主に配慮を求める」「グリーン購入法の特定調達品目に輸配送(国内向け信書、宅配便、小包郵便物、メール便)、旅客輸送(貸切バス、タクシー)、 が追加」「認証取得に向けた助成制度の拡大」などの行政等による認証取得事業者への優遇、普及支援策が拡がってきました。

2021年3月末現在、認証登録した事業者数は3,287社、保有する車両の総数は約18万台となり、これは日本全国の事業者の保有台数の11%以上にあたります。

本検討結果の公表により、認証取得のメリットや社会的意義を運輸事業者に対してアピールするとともに、認証取得事業者に対する荷主や社会からの評価を 向上させ、認証取得に向けた取組みの一層の拡大につなげることを目指しています。

2.本検討に使用したデータ

本検討は、2020年12月末時点で認証登録されている事業者のデータを元に行いました。

表  チェックリストとアンケートを提出した事業者数<トラック、バス、タクシー>(2020年12月末現在)
  提出事業者数
トラック バス タクシー
チェック
リスト
アン
ケート
チェック
リスト
アン
ケート
チェック
リスト
アン
ケート
新規申請時 4,936 ― 210 ― 414 ―
第1回定期審査時
(認証取得1年後)
4,809 4,417 204 200 409 399
第1回更新審査時
(認証取得2年後)
4,531 ― 186 ― 395 ―

(注1)効果の検討は原則として認証取得の申請単位で行いました。この申請単位を事業者と呼んでいます。1事業者に複数の事業所が含まれる場合があります
(注2)アンケートは事業者ごとではなく、事業所単位で提出される場合があるため、チェックリストの提出事業者数より、アンケートの提出事業者数の方が多い場合があります

表  チェックリストとアンケートを提出した事業者数<倉庫、港湾運送、船舶>(2020年12月末現在)

提出事業者数
倉庫 港湾運送 船舶
チェックリスト アンケート チェック
リスト
アン
ケート
チェック
リスト
アン
ケート
普通
倉庫
冷蔵
倉庫
普通倉庫+
冷蔵倉庫
普通
倉庫
冷蔵
倉庫
普通倉庫+
冷蔵倉庫
新規申請時 258 35 37 ― ― ― 45 ― 44 ―
第1回定期審査時
(認証取得1年後)
― ― ― 287 35 41 ― 48 ― 14
第1回更新審査時
(認証取得2年後)
252 31 37 ― ― ― 42 ― 42 ―

(注1)効果の検討は原則として認証取得の申請単位で行いました。この申請単位を事業者と呼んでいます。1事業者に複数の事業所が含まれる場合があります
(注2)アンケートは事業者ごとではなく、事業所単位で提出される場合があるため、チェックリストの提出事業者数より、アンケートの提出事業者数の方が多い場合があります

さらに、チェックリストやアンケートのデータには、記入洩れや前後での食い違い等もあるので、今回の集計では、異常と思われるデータを除外しています。具体的には、データが一定期間に満たないもの、変化が極端なもの、はずれ値(データを順位付けし上下2.5%のもの)を除いています。データを集計に使用できるかどうかの判断は、集計項目によって異 なります。抽出の結果、集計に使用できるデータの件数は、下表の通りとなりました。データ1件は1事業者のデータに該当します。

3.検討結果の概要

今回の検討により、次のことがわかりました。

(1)認証取得によるメリット(認証取得事業者の声)

認証取得事業者に対するアンケート結果から、認証取得事業者はいろいろなメリットを感じていることがわかりました。

項目名 トラック バス タクシー 倉庫、
港湾運送
旅客船、
内航海運
燃費の向上 83.2% 75.5% 76.2% - -
電気/燃料使用量削減 - - - 67.6% 57.1%
職場モラルの向上 75.6% 74.5% 78.2% 83.9% 85.7%
お客様からの評価向上/取引上の優遇 49.8% 29.5% 32.3% 35.8% 14.3%
リーダー層の人材育成 31.3% 34.0% 24.8% 31.1% 35.7%
交通事故件数の減少 50.2% 38.5% 46.4% - -
荷役事故件数の減少 - - - 20.0% -
車両故障件数の減少 55.2% 42.0% 44.6% - -
設備機器類の故障件数の減少 - - - 28.2% 7.1%
廃梱包材量の減少 16.4% - - - -
廃棄物発生量の減少 - - 1.8% 54.5% 64.3%

(2)平均燃費 認証前後2年間の比較<トラック、バス、タクシー>

認証取得事業者の平均燃費は、認証取得後の2年間でそれぞれよくなりました。

  ■車両総重量8トン以上のトラック(N=1,289) 認証取得時比  3.2%  改善
  ■車両総重量8トン未満のトラック(N=1,226) 認証取得時比  3.2%  改善
  ■バス(N=151) 認証取得時比  2.3%  改善
  ■タクシー(N=327) 認証取得時比  1.6%  改善

(3)CO2排出原単位 認証前後2年間の比較<倉庫、港湾運送、旅客船、内航海運>

認証取得事業者のCO2排出原単位は、認証取得後の2年間でそれぞれよくなりました。

  ■普通倉庫(所管面積あたり)(N=202) 認証取得後の2年間で  3.6%  改善
  ■冷蔵倉庫(設備トン数あたり)(N=30) 認証取得後の2年間で  3.4%  改善
  ■港湾運送(取扱トン数あたり)(N=19) 認証取得後の2年間で  5.9%  改善
  ■港湾運送(取扱コンテナ数量あたり)(N=4) 認証取得後の2年間で  11.0%  改善
  ■旅客船(距離キロ数あたり)(N=9) 認証取得後の2年間で  3.3%  改善
  ■内航船(距離キロ数あたり)(N=37) 認証取得後の2年間で  4.4%  改善
  ■曳船(航行時間あたり)(N=32) 認証取得後の2年間で  1.3%  改善

倉庫、港湾運送、旅客船、内航海運において使用された各種エネルギーについてのCO2排出量の 算出には、2011年の経済産業省・環境省による算定省令に基づくCO2換算係数を用いています。

  電気(一般電) :  0.561 kgCO2/kWh
  都市ガス :  2.23 kgCO2/Nm3
  軽油 :  2.58 kgCO2/L
  ガソリン :  2.32 kgCO2/L
  灯油 :  2.49 kgCO2/L
  A重油 :  2.71 kgCO2/L
  B・C重油 :  3.00 kgCO2/L
  LPG(液体) :  3.00 kgCO2/kg 又は 1.67 kgCO2/L (LPG:1kg=1.795L)
  LPG(気体) :  7.81 kgCO2/m3 (LPG:1kg=0.384m3)

*事業者の省エネ成果を観るために、認証取得前後のエネルギー使用量に対して上記係数を統一的に使用しています。

(4)交通事故件数 認証前後1年間の比較<トラック、バス、タクシー>

アンケートに回答のあった認証取得事業者の走行距離あたりの交通事故件数は、認証取得後1年目に前年比でトラック25.9%、バス20.4%、タクシー7.0%減少しました。

  ■トラック(N=971) 認証取得後1年目の前年比  25.9%  減少
  ■バス(N=78) 認証取得後1年目の前年比  20.4%  減少
  ■タクシー(N=109) 認証取得後1年目の前年比  7.0%  減少

(5)車両故障件数<トラック、バス、タクシー>

アンケートに回答のあった認証取得事業者の走行距離あたりの車両故障件数は、認証取得後1年目に前年比でトラック21.1%、バス3.9%、タクシー15.9%減少しました。

  ■トラック(N=859) 認証取得後1年目の前年比  21.1%  減少
  ■バス(N=67) 認証取得後1年目の前年比  3.9%  減少
  ■タクシー(N=76) 認証取得後1年目の前年比  15.9%  減少

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